高配当株の積み増しをやめた話|ローンを組まない我が家にキャッシュフロー戦略は不要だった
住宅ローンの返済を配当で相殺するつもりで高配当株を積み増そうとしていた我が家。でも家をローンで買わない方針に変えたら、毎月の配当を買う理由が消えました。高配当株からインデックス一本へ集約した理由と、レバレッジ論への我が家の答えを正直に書きます。
この記事でわかること
我が家は、高配当株の積み増しをやめました。
高配当株かインデックスか——投資を続けていると、必ず一度はぶつかる問いだと思います。「配当金で生活する」という発信もあれば、「インデックスが最も合理的」という発信もあって、その板挟みで迷っている方も多いはずです。少し前の我が家も、まさにそうでした。
結論から言うと、我が家は積立をインデックス(S&P500)に一本化しました。ただしこれは「高配当株はダメだ」という話ではありません。家をローンで買うのをやめたことで、高配当株に持たせていた役割そのものが消えた——それが理由です。道具が悪くなったのではなく、目的が変わった。その経緯を正直に書きます。
✓この記事でわかること
我が家が高配当株を増やそうとしていた理由
まず、なぜ高配当株を増やそうとしていたのか。そこには明確な目的がありました。
住宅ローンの返済を配当で相殺する計画だった
少し前まで、我が家は住宅ローンを組んで家を買う前提で動いていました。
その計画の中で高配当株に期待していたのは、「毎月の住宅ローン返済を、配当金で少しでも相殺する」という役割です。返済という毎月の固定的な支出があるなら、それにぶつける毎月のインカム(配当)があると心強い。そう考えていました。
毎月のキャッシュフローを厚くするのが目的だった
つまり我が家が高配当株に求めていたのは、資産全体を最大化することではなく、毎月のキャッシュフローを厚くすることでした。
インデックス投信は基本的に配当を出さず、資産の中で再投資されて値上がりという形でリターンが返ってくる設計です。総資産を増やす効率は高くても、「毎月手元に入るお金」は生みません。ローン返済という毎月の相手がいる以上、我が家には毎月入ってくる配当という道具が必要だと考えていたのです。
この時点では、この判断は理にかなっていたと思います。
家を買わない決断で、配当の役割がなくなった
ところが、住宅の方針が根本から変わりました。我が家は「ローンを組んで今買う」のをやめ、「当面は賃貸で資産形成を続け、20年後の一括購入を目標にする」方針に転換したのです(詳しい経緯は我が家が「20年後に一括購入」を目標にした理由|モデルハウス交渉から降りて決めたことに書いています)。
この転換で、高配当株の前提が崩れました。
毎月の返済がなければ、毎月の配当も要らない
理屈は単純です。相殺すべき毎月の住宅ローン返済がなくなったなら、それにぶつけるための毎月の配当も要らない。
高配当株が支えるはずだった相手が、いなくなったのです。目的が消えたのに、その目的のための道具だけを持ち続ける理由はありませんでした。
新しい目的は「20年後の総資産の最大化」
新しい方針での目的は、はっきりしています。20年後に住宅を一括で買えるだけの総資産を作ることです。
毎月のキャッシュフローの厚さではなく、20年後という一点での資産額の最大化。これがゴールになった以上、選ぶべき道具は、配当を出さずに再投資で複利を効かせるインデックス投信の方でした。
利息を払わず、待っているお金が複利で育つ|二段構えのメリット
この方針には、二段構えのメリットがあると考えています。
利息を払わないことは確実。運用益は不確定。この2段構えです。
ローンで買えば、支払うのは「物件価格+利息」です。一括で買えば、支払うのは物件価格のみで、利息はかかりません。利息を払わずに済むことは確実なメリットです。
そのうえで、購入まで待っている資金自体をインデックスで運用すれば、元本に運用益が上乗せされて膨らんだお金から物件価格を払える可能性があります。ただし、こちらの運用益は確実ではありません。増えるかもしれないし、タイミングによっては目減りしているかもしれない。利息の回避は確定、運用益は不確定——この確実なものと不確実なものの区別は、都合よく混ぜてはいけないと思っています。確定でない部分については、「時間をかけることでチャンスを得られる」という程度の期待にとどめています。
「ローンを組んで運用に回す方が得では?」への我が家の答え
ここまで書くと、「低金利でローンを組んで、手元資金は運用に回した方が数学的には得では?」という指摘が当然出てきます。いわゆるレバレッジの考え方です。これには我が家なりの答えがあります。
理屈は分かる。でも車のローンで「実感」が上回った
まず、理屈は分かります。金利より運用リターンが上回るなら、借りて運用する方が計算上は有利になり得る。これは事実だと思います。
ただ我が家には、車のローンでこの「理屈」を「実感」が上回った経験があります。低金利のローンを残して運用に回す考え方から方針転換し、車のローンを一括返済したところ、借金のない生活の分かりやすい貯まりやすさが、理屈上の差益を上回って感じられたのです(この話は残価設定ローンを後悔して一括返済した話|プロと同じ買い方が我が家には合わなかったに書きました)。数字の最適と、我が家が心地よく続けられる形は、必ずしも一致しませんでした。
レバレッジは20年の縛りとセット。我が家は「待てる自由」を選んだ
もうひとつ、レバレッジには「20年、35年という返済期間の縛り」がセットでついてきます。
ローンを組めば、完済年齢という制約の中で、ある時点で買うことを迫られます。一方、賃貸で資産形成を続ける我が家は、「本当に納得できる物件が出るまで待てる自由」を持ち続けられます。相場や物件に急かされず待てること。我が家はレバレッジの期待値より、この自由の方に価値を感じました。
なお、これは我が家の選択であって、毎月の返済がある人や、配当が入ってくる実感が投資を続けるモチベーションになる人にとっては、高配当株もレバレッジも今なお合理的な道具だと思います。道具は目的に従うだけで、優劣の話ではありません。
家賃の負担はシミュレーションに織り込み済み
「でも賃貸なら家賃がずっとかかるでしょう」という点も、思いつきで決めたわけではありません。
賃貸を続けた場合の家賃負担と、ローンを組んで買った場合の総支払いは、家計のシミュレーションで比較したうえでの判断です。家賃を払い続けても、我が家の場合は資産形成が成り立つ見通しが立っています。
我が家の新しい運用体制
方針が定まったので、運用の形もシンプルに整理し直しました。
積立はS&P500一本に集約する
毎月の積立は、S&P500のインデックス投信一本に集約します。
あれこれ分散させるより、続けやすさを最優先しました。7年間の投資で一番効いたのは銘柄選びの巧みさではなく、「やめずに続けたこと」です。20年計画でも、迷いなく淡々と積み上げられる形が一番だと考えています。
子どもの学習資金はオルカンで別枠のまま
住宅資金とは別に、子どもの学習資金はオルカン(全世界株)の積立で別枠管理を続けます。
使う時期も目的も違うお金なので、住宅用の資産とは口座も方針も分けておく。ここは今まで通り、変えません。
既存の高配当株・約100万円は保有継続、配当は投資へ
これまで買ってきた高配当株は、約100万円あります。これは売らずに、そのまま保有を続けます。
積み増しはやめますが、売却もしません。額が100万円ほどと大きくないため、わざわざ売却の手間やコストをかけて処分するメリットが小さいからです。受け取る配当は使わず、そのままインデックスへの投資に回します。役割は終えましたが、静かに戦力として残しておく、という位置づけです。
なお、この方針転換は妻とも共有し、納得を得ています。夫婦でお金の方向を揃えておくことは、20年続ける計画では特に大事だと感じています。
まとめ|道具は目的に従う
我が家が高配当株の積み増しをやめたのは、高配当株が悪いからではありません。住宅ローンの返済を配当で相殺するという目的が、家をローンで買わない決断によって消えたからです。目的が「20年後の総資産の最大化」に変わった以上、選ぶ道具も再投資で複利を効かせるインデックスに変わった——ただそれだけのことでした。
利息を払わない確実さと、待機資金を運用で育てる不確実な期待。この二段構えを胸に、我が家は積立をS&P500に集約し、既存の高配当株約100万円は静かに保有を続けます。高配当株かインデックスか、で迷っている方がいたら、まず「自分は投資に何をさせたいのか」を先に決めてみてください。道具はそのあとで、目的に従って選べば十分だと思います。