含み損に耐えられない人へ|最高益−200万円でも売らなかった握力の話
含み損に耐えられないと感じる方へ。最高益から−200万円の下落が出ても売らずに済んだのは、長期投資前提で投資先への理解を深めていたからでした。生活防衛資金だけでなく「投資の中身を知っているか」が握力の本質だと気づいた話を、2回の暴落の実体験と実額でお伝えします。
この記事でわかること
「暴落が来たら、自分は本当に売らずに耐えられるのか?」
投資を始めたばかりの頃、これが一番不安でした。ネットでは「長期投資が正解」「暴落は買い場」と言われますが、実際に自分のお金が大きく減る瞬間にどう感じるかは、経験するまで分かりません。
我が家は7年間のインデックス投資の中で、コロナショック(2020年3月)とトランプショックという2つの大きな暴落を経験しました。特にトランプショック時は、含み益のピークから−200万円ほど評価額が落ちた瞬間がありました(赤字に転落したわけではありませんが、ピークと比べた目減り幅としては大きな経験です)。
それでも、1株も売らずに持ち続けることができました。なぜそれが可能だったのか──「生活防衛資金があったから」だけでは説明しきれない、もうひとつの理由を、この記事では正直にお伝えします。
我が家の暴落体験
時系列で整理すると、2020年3月のコロナショックは投資額がまだ少額でダメージは小さく、2024年8月の日経平均急落は数日で大きく回復。そして2025年のトランプショック(関税ショック)は、投資額が大きく育ったタイミングで最高益から−200万円の下落を経験しました。7年積み立て続けてきて、「初めて投資の重みを実感したのはトランプショックだった」というのが正直な感想です。
コロナショック:少額だったから「経験できてラッキー」だった
2020年3月、コロナショックで世界の株式市場は急落しました。その時はまだ投資を始めて間もない頃で、投資額は数十万円〜数百万円程度。正直に言うと、ダメージはそこまで大きくありませんでした。
含み損が出ても、金額として見ると数万円〜十数万円レベル。家計を脅かすほどの規模ではなかったので、「これが噂の暴落か」と冷静に観察する余裕がありました。そして、当時すでに「インデックス投資は長期で右肩上がり」という前提を信じていたので、むしろ買い増しチャンスだと感じて積立を継続しました。結果として、コロナショック後の数年で資産は大きく増えました。
少額のうちに暴落を経験できたのは、本当に運が良かったと思います。これが、後の暴落で冷静でいられた「最初の予防接種」になりました。
トランプショック:含み益が一気に200万円目減りした衝撃
問題は、投資額が育ってきてから経験する暴落です。
2025年のトランプショック時、我が家の投資資産は2,000万円を超える規模に育っていました。そこに襲ってきた急落で、含み益のピークから一気に200万円ほど評価額が目減りしました。元本割れ(含み損)にはなっていません。あくまで「最高益から−200万円の下落」です。
200万円という金額は、働いて稼ぐとなると半年〜1年がかりの数字です。それが、たった数週間〜数ヶ月で消えていく感覚は、想像以上に重かった。「まだ含み益は残っている」と頭では分かっていても、ピークから200万円減るというのは、「あの時利確しておけば…」という雑念が一瞬よぎる経験でした。
正直に書くと、完全に冷静だったかと言われると嘘になります。ニュースを開く頻度が増えましたし、「もしかしてここから半値になる?」という最悪のシナリオが頭をよぎり、過去の暴落データを再度調べ直したりもしました。それでも、売却ボタンには指を伸ばさなかった。ガチャガチャと売買して疲弊した過去があるからこそ、「動かない」という決断を強くできました。
「売らずに済んだ理由」を冷静に分解すると
なぜ最高益から−200万円の下落でも握り続けられたのか。振り返ってみると、理由は2つの軸に分けられます。
1つ目の軸は、生活防衛資金という家計の土台です。これは大前提として必要で、我が家は生活費の6ヶ月分(120万円)を現金で確保していました(詳しくは生活防衛資金はいくら必要?子あり共働きの我が家が200万円に決めた理由)。「生活費が危ない」という追い詰められた状況だと、人は冷静な判断ができません。土台があるから、相場の上下を生活と切り離して見られるのです。
2つ目の軸が、今回お伝えしたい本質で、投資先への理解というメンタルの土台です。
我が家は7年間インデックス投資を続ける過程で、自分が買っている商品が「何を意味するか」を時間をかけて理解してきました。オルカンは世界中の優良企業数千社に分散投資して世界経済全体の成長を取りに行くもの、S&P500は世界経済を牽引する米国の大企業500社の集合、そしてインデックス投資とは個別の銘柄を当てるのではなく「経済が長期的に成長する」という前提に賭ける投資──。これを「ふんわり知っている」レベルから、「自分の言葉で説明できる」レベルまで深めていました。
すると、暴落が来たときの感じ方が根本的に変わります。最高益からの−200万円は「世界経済が一時的に縮んでいる」という事象で、長期で見れば人類は経済成長を止めない。これが本気で腹落ちしている人は、短期の値動きで売却ボタンを押さないのです。
「投資先への理解」がないまま買うと、暴落で売ってしまう
逆に、これがない状態で投資を始めると、高い確率で暴落時に売ってしまいます。
「ネットで人気だから」「YouTuberが言ってたから」だけで買っている人は、自分の中に判断の軸がない。だから、SNSで「もう終わりだ」「半値になる」という声を見かけると、それに飲まれてしまいます。これは精神論ではなく、情報処理の問題です。「自分の投資は何に賭けているのか」を自分の言葉で言語化できないと、外の声に判断を奪われやすくなります。
投資先への理解を深めるためにやったこと
我が家が7年かけて少しずつやってきたことを、3つだけシェアします。
1つ目は、投資信託の目論見書を1回は読むことです。オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)やS&P500(eMAXIS Slim 米国株式)の目論見書には、何の指数に連動しているか、どんな国・業種・銘柄に分散されているか、過去のリターンとリスクのデータがすべて書かれています。「自分が買っているものが何か」を1回でも自分の目で確認すると、所有感がまったく変わります。
2つ目は、過去の暴落データを見ておくことです。リーマンショック、ITバブル崩壊、コロナショック──過去の暴落でS&P500やオルカンがどれくらい下げて、何年で回復したかを眺めておくと、暴落時に「想定の範囲内」と思えます。「想定外」と「想定内」では、心の余裕がまったく違います。
3つ目は、自分なりの「なぜ」を言葉にすることです。「私はなぜインデックス投資をするのか?」を、自分の言葉で書いてみる。我が家の場合は「世界経済全体が長期で成長することに賭けたい。個別の当て物はやらない。値動きに振り回されない投資を続けたい」という言葉です。これが揺るがない限り、暴落は「通過する季節」でしかなくなります。
暴落の経験は「資産」になる
2回の暴落を経験して感じたのは、「これも投資の一部だった」ということです。
順調に資産が増えるだけだと、自分のリスク許容度は分かりません。暴落を経験して、初めて「自分はどこまで耐えられるか」「どんな心の動きをするか」が見えます。そして、一度乗り越えると次の暴落への耐性が上がります。これは、本やネットの記事を100本読むよりも身につく経験値です。
「長期投資が大事」とどこのブログでも言われています。でも、長期で持ち続ける本当の力は、「生活防衛資金」と「投資先への理解」という2つの土台があって初めて生まれる。これが、最高益から−200万円を経験した我が家の結論です。
これから投資を始める方、特に「自分は暴落で売ってしまいそう」と不安な方の参考になれば嬉しいです。
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