生活防衛資金はいくら必要?共働き世帯が120万円に決めた理由と計算方法
NISAを始めたいが、どれくらい現金を手元に残すべきかわからなかった。「生活防衛資金」の考え方を知って、やっと投資に踏み出せた話。
「投資を始めたいけど、いくら手元に残しておけばいいかわからない」という状態が、しばらく続いていました。
老後のためにNISAを活用したい。でも、全部投資に回してもし何か起きたら……という不安で、なかなか踏み出せない。
その壁を超えるきっかけになったのが、「生活防衛資金」という考え方でした。
生活防衛資金とは
生活防衛資金とは、突発的な支出や収入の途絶に備えるための現金のことです。
病気・怪我・失業など、想定外のことが起きたときに、すぐに使える現金がないと生活が立ち行かなくなります。そうした緊急時に「投資している資産を慌てて売る」状況を防ぐための緩衝材です。
生活防衛資金が確保できていれば、相場が暴落しても「生活費が危ない」という焦りなしに投資を続けられます。
いくら用意すればいいか
よく言われる目安は、月々の生活費の3〜6ヶ月分です。
職種や家族構成によって必要な額は変わります。
| ケース | 目安 |
|---|---|
| 会社員・共働き | 3〜4ヶ月分 |
| 会社員・片働き | 4〜6ヶ月分 |
| フリーランス・自営業 | 6〜12ヶ月分 |
会社員で共働きの場合、どちらかが仕事を失っても片方の収入で生活できるため、少なめで大丈夫という考え方があります。逆に、片働きの場合は唯一の稼ぎ手が倒れたときのリスクが大きいため、多めに持っておく必要があります。
我が家の場合
共働きで月の生活費が約28万円(住宅費除く)のため、目安の3〜4ヶ月分を上回る約120万円を確保しています。
住宅費も含めると4ヶ月分強にあたります。目安より少し多めに持っているのは、マイホーム購入を検討している時期で「何かあったときの備えは厚めに」という判断からです。
生活防衛資金に含めてはいけないもの
ここで注意したいのが、「証券口座の現金」は生活防衛資金に含めないことです。
たとえば証券口座に50万円の現金があったとしても、緊急時にすぐ引き出せるかというと、手続きが必要だったり相場の状況によって判断が難しくなったりします。
生活防衛資金は、いつでも迷わず引き出せる普通預金口座に置いておくのが原則です。
また、住宅の頭金や教育費として「使う予定のあるお金」も別管理にします。生活防衛資金は「何かあったとき用」の純粋な緊急資金です。
防衛資金と投資資金の分け方
我が家では、お金を以下の3つに分けて管理しています。
①生活防衛資金:120万円(普通預金口座)
②近い将来に使うお金:住宅頭金・教育費積立など、5〜10年以内に使う予定のある資金。定期預金や高金利普通預金に。
③長期投資資金:NISA・iDeCoなど、10年以上使わないお金。ここで初めて投資信託を買います。
このように「時間軸」で分けると、どのお金で何をするかが明確になります。
生活防衛資金はどの口座に置くか
おすすめは高金利の普通預金口座です。
ネット銀行の中には年0.1〜0.3%程度の金利がつく口座もあり、メガバンクの普通預金(0.001%程度)と比べると、雲泥の差があります。
我が家はSBI新生銀行の普通預金を生活防衛資金の置き場所にしています。ATMでいつでも引き出せて、一定以上の金利がつくため、「置いておくだけ損」という感覚が薄れます。
生活防衛資金を確保してから投資を始めた変化
生活防衛資金を先に積み上げてからNISAを始めたことで、メンタル面が大きく変わりました。
相場が大きく下落したとき(2024年8月の日経平均急落)、「生活費は別にある」という安心感があって、保有している投資信託を売らずに済みました。
あのとき焦って売っていたら、回復した後の利益を取りこぼしていたはずです。
まとめ|投資の前に「現金の安全地帯」を作る
投資を始めたい人が最初にやるべきことは、投資口座を開くことではありません。
まず、「何があっても数ヶ月は生活できる現金」を確保することです。
それができて初めて、投資に回す分を安心して市場に置いておけます。「相場が下がっても売らない」という覚悟は、精神論ではなく、現金の準備によって作られます。
生活防衛資金の目安額を計算して、まずそこを満たすことから始めてみてください。生活防衛資金が整ったら、生活防衛資金を確保した後の新NISAの商品選びが次のステップです。生活防衛資金を積み立てる余剰資金を作るには、固定費の見直しで月の支出を削減する方法も効果的です。住宅ローン(特に変動金利)を抱える場合は変動金利リスクと家計への影響の考え方も合わせて確認しておくことをおすすめします。