住宅予算の決め方|「年収の◯倍」で決めなかった我が家の手順と反省
住宅予算の決め方がわからない、家はいくらまで出していいのか迷う方へ。我が家は「年収の◯倍」ではなく、手取りに対する割合と2つの安全条件で決めました。それでも少し無理をしていたと思う理由まで、正直に書きます。
この記事でわかること
家はいくらまで出していいのか。家探しを始めたとき、我が家にはこの物差しがありませんでした。
営業や相談窓口で聞くのは「皆さん年収の◯倍くらい組んでいます」という話ばかり。でも、それは我が家が無理なく払える額を教えてくれる数字ではありませんでした。
先に結論
- 我が家は「年収の◯倍」ではなく、手取りに対する割合と2つの安全条件で予算を決めた
- それでも振り返ると、少し無理をしていたと思う
- 予算は買うための数字ではなく、守るための線だった
この記事では、我が家が実際にどう予算を決めたか、その手順と、あとから感じた反省を正直に書きます。
✓この記事でわかること
「年収の◯倍」で予算を決めなかった理由
まず、なぜよく聞く「年収の◯倍」を使わなかったのかを書きます。
窓口で受けたのは「皆さん◯倍くらい組んでいます」という説明だった
住宅相談窓口を使ったとき、資金計画の説明を受けました。
そこで言われたのが「一般的に、皆さん年収の何倍くらいでローンを組んでいます」という話です。数字としては分かりやすい。でも、我が家の家計を見て出された額ではありませんでした。窓口を使った体験の詳細は家を買わなかった我が家が、住宅相談窓口を4回使った本音|向く人・向かない人に書いています。
でも「年収の◯倍」って、みんな使ってる目安だよね?
貸せる額・売りたい額と、暮らせる額は別物だった
気づいたのは、立場によって「適正な額」が違うことです。
銀行が貸せる額は、貸しても回収できる範囲です。売り手が売りたい額は、なるべく高く売りたい範囲です。どちらも、我が家がその後の暮らしを守れる額とは、視点が違います。
だから我が家は、外から与えられる倍率ではなく、自分たちの家計から予算を組み立てることにしました。
我が家の予算の決め方|3つの条件
ここからは、我が家の場合の決め方です。万人向けの正解ではなく、あくまで我が家が納得するために置いた3つの条件です。
頭金を入れて、月々の返済を私の手取りの30%ほどにした
1つ目の条件は、月々の返済額です。
頭金を入れた上で、35年ローンを組んだ場合の毎月の返済が、私の手取りの30%ほどに収まる金額にしました。手取りを基準にしたのは、額面の年収では手元に残る実感とずれるからです。
妻が働けなくなっても「暮らすだけなら」成り立つ額にした
2つ目は、収入が片方だけになった場合の想定です。
もし妻が働くのを辞めることになっても、私の収入だけで、暮らすだけならなんとか成り立つ。そのラインを超えない額にしました。共働き前提の予算は、片方が欠けた瞬間に崩れます。そこに耐えられるかを条件に入れました。
ローン残債を「売却額+資産」で上回れる金額を上限ラインにした
3つ目は、手放すことになった場合の想定です。
もし売ることになったとき、ローンの残債を、売却額と手元の資産で上回れる。つまり、売っても借金だけが残る状態にはならない。この金額を予算の上限ラインにしました。「買ったら終わり」ではなく「最悪でも詰まない」を条件にした形です。
それでも、今思うと少し無理をしていた
3つの条件で決めた予算ですが、振り返ると反省があります。
30%は「出せる上限」であって「適正」ではなかった
正直に書きます。手取りの30%は、無理なく払える額というより、頑張れば出せる上限でした。
30%を払い続けても生活は回ります。でも、余裕があるかというと別です。想定外の出費が続いた月や、収入が少し落ちた時期には、確実に効いてくる重さでした。適正な水準として選んだのではなく、「ここまでなら出せる」という限界に近い数字だったのです。
予算は買うための数字ではなく、守るための線だった
この反省から気づいたことがあります。
予算は「これだけ出せば買える」という前向きな数字として考えていました。でも本当は、「ここを超えたら暮らしが苦しくなる」という、守るための線でした。攻めの数字だと思っていたものが、実は防御の線だった。この捉え方の違いは、あとになって効いてきました。
その線があったから、値引きゼロ回答で迷わず降りられた
予算を「守るための線」と捉え直せたことには、意味がありました。
実際に検討した物件で、我が家は値引き交渉をして、価格が合わずに降りています。あのとき迷わず降りられたのは、超えてはいけない線が数字ではっきりしていたからです。その顛末は元モデルハウスの値引き交渉、結果はゼロだった|それでも我が家が後悔していない理由に書きました。線がなければ、あの場の熱で予算を動かしていたかもしれません。
予算より先に、「削らないもの」を夫婦で決めた
もうひとつ、予算を組むうえで大事だったことがあります。金額を決める前に、削らないものを夫婦で決めたことです。
子どもの費用は削らない。奨学金は背負わせない
我が家が最初に確認したのは、子どもにかかる費用でした。
ここは削らない、と二人で決めました。特に大学の教育資金はきちんと準備して、子どもに奨学金を背負わせることはしない、と方針を固めました。これは我が家の選択であって、奨学金を使う家庭を否定するものではありません。ただ我が家は、そこを優先すると決めました。
家を選ぶなら、旅行などの経験が減る可能性も共有した
一方で、住宅にお金をかけると、他が減ることも正直に共有しました。
家が欲しいなら、旅行などの経験に使えるお金は少なくなるかもしれない。私はそれを妻にも伝えました。良いことだけでなく、諦める側も両方テーブルに載せておきたかったからです。
「何を諦めるか」まで話して、初めて予算になる
夫婦で話してみて分かったのは、予算は金額だけでは決まらないということです。
何を守り、何を諦めるか。そこまで合意して、初めて数字に意味が出ます。この話し合い自体が、その後の我が家の家計づくりの土台になりました。夫婦でお金を話し合う流れは家を買うのをやめたら、夫婦のお金の話し合いが前向きになった|我が家の家族会議のかたちに書いています。
まとめ|自分で決めた予算だけが、あなたを守る
我が家は「年収の◯倍」で予算を決めませんでした。代わりに置いたのは3つの条件です。手取りに対する割合、収入が片方になっても暮らせること、手放しても詰まないこと。この3つで金額を決めました。
それでも振り返れば、30%は上限であって適正ではなく、少し無理をしていたと思います。この反省を通して分かったのは、予算は買うための数字ではなく、守るための線だということでした。その線があったから、価格が合わない物件から迷わず降りられました。
外から与えられる倍率ではなく、自分たちの家計と、何を諦めるかまで話し合って決めた予算。それだけが、いざというときにあなたの暮らしを守ってくれます。