この記事は、家を買うつもりでモデルハウスまで検討した当時の記録です。その後、価格交渉が合わず購入を見送りました。現在の方針は20年後に現金一括で買う計画にまとめています。

家を買うと決めてからモデルハウスの検討に至るまで、我が家の家探しは一直線ではありませんでした。

注文住宅、建売、中古マンション、中古+リノベーション。一通り行き来した末に、当時は築浅のモデルハウス販売物件に狙いを定めました。

回り道だらけでしたが、振り返ると、その一つひとつが今の判断材料になっています。同じように「結局どの買い方がいいのか分からない」と迷っている人の参考になればと思い、我が家の経緯をそのまま残しておきます。

第1章|相談窓口で「注文・建売・中古」を並べて驚いたこと

家探しのスタート地点で、我が家には一つ前提がありました。

実家の土地が使えるかもしれないという話です。

土地代がかからなければ、その分を建物にまわせます。家計の面では大きな選択肢でした。

ただ、家族の中で希望や優先順位は完全にはそろっていませんでした。だからこそ、思い込みで決めずに、選択肢を同じ土俵で比べる必要がありました。

我が家が選んだのは、無料の住宅相談窓口で予算内の選択肢を整理してもらう方法です。

カタログを集める一括資料請求も、入口としては合理的だと思います。手元で各社を広く見比べたい人には向いています。ただ我が家の場合は、実家の土地という個別事情があったため、状況を話しながら一緒に比べてくれる相手の方が合っていると考えました。

窓口で並べてもらったのは、予算内の「注文住宅・建売・中古マンション」の3択です。ここで価格の関係に、正直かなり驚きました。

我が家の場合、実家の土地が使えるなら、注文住宅は3,000万円台でそれなりのグレードのものが建てられる試算でした。

ところが、それよりグレードの劣る建売は、むしろ4,000万円台後半。土地代と利益が乗る分、新築の建売は思った以上に高い。さらに中古マンションの相場の高さにも驚かされました。

つまり、「建売や中古の方が手頃」という最初のイメージは、我が家の条件ではむしろ逆だったのです。

とはいえ、その価格差を納得できるだけのクオリティの物件には出会えませんでした。注文住宅も建売も中古マンションも、それぞれに気になる点があり、ここでは決め手を欠きました。

なお、住宅相談窓口が「無料」で成り立つ仕組みについては、別記事で詳しく書いています。中立性をどう受け止めて使うかは、利用前に知っておいて損はありません。

住宅相談窓口を3回以上使って夫婦の意見をまとめた話

振り返ると、この「並べて比べた」経験が家探し全体の土台になりました。1社ずつ回っていたら、価格差にも仕様の違いにも気づけなかったと思います。これから注文住宅も視野に入れる方は、資料を先に並べる方法もあります。

第2章|育休中で落ち着いて話せず、仕事復帰まで保留

比べてみても、すぐに結論は出ませんでした。

注文住宅には注文住宅の良さがあり、建売には建売の手軽さがあり、中古マンションには立地の選びやすさがあります。どれか一つが明確に正解というより、「何を優先するか」で答えが変わる状態でした。

加えて、ちょうど育休中で生活リズムが安定しない時期でもありました。

家を買う話は、金額も大きく、人生への影響も大きいです。冷静に話し合うには、それなりの余裕が必要です。でも当時は、日々の生活を回すだけでも精一杯で、大きな判断を落ち着いて進めるには難しい状況でした。

無理に話を進めても、お互いに余裕がなく、前向きな議論になりにくい。

そこで我が家は、仕事に復帰して生活が落ち着くまで、一旦保留にすることにしました。

今振り返ると、ここで急いで決めなかったのは悪くない判断だったと思います。家探しは勢いも大事ですが、余裕がない時期に無理やり決めると、あとで「本当にこれでよかったのか」と引っかかりが残りやすいからです。

第3章|中古+リノベも探ったが、「工事が進まないリスク」で様子見

保留のあいだに次に検討したのが、中古物件を買ってリノベーションする道でした。

新築より費用を抑えつつ、自分たちの好みに仕上げられる。最初はそんなイメージがありました。

ただ、実際に話を聞いてみると、予算内に収めるのは想像以上に難しいと分かりました。とくに断熱までしっかりやろうとすると、費用が一気に上がります。

中古住宅は物件価格だけを見ると安く見えることがあります。でも、リノベーション費用、諸費用、仮住まい費用まで足すと、新築と大きく変わらないケースもあります。

このあたりの具体的な金額感は、別記事に詳しくまとめています。

中古住宅リノベーションの総額で見落とした費用|3社に相談してわかった現実

そしてもう一つ、見過ごせない懸念がありました。

世界情勢の影響です。

当時(2026年4月頃)に感じた、建材が届かないかもしれないリスク

きっかけは、当時の中東情勢の悪化でした。

住宅設備や建材の多くは海外からの輸入に頼っています。当時、情勢が不安定になるなかで、輸送ルートの混乱や物流コストの上昇が起き、建材の入荷が遅れたり、予定通り手に入らなくなるリスクが高まると感じていました。

新築の場合、住宅メーカーがまとめて資材を管理しているので、ある程度は吸収できます。でも中古+リノベーションは別です。

リノベーション工事は、工期の読みが難しい。当時でも一般的に数ヶ月かかりますが、建材の調達が遅れれば、さらに延びる可能性がありました。

その間、何が起きるかというと——

期間 支払うもの
工事中(住めない) 住宅ローン+家賃の二重払い
工事完了まで 仮住まいの費用

ローンは工事完了前でも始まる場合があります。工事が数ヶ月延びれば、家賃との二重払い期間がそのまま伸びる。

新築ならまだしも、中古+リノベーションでこのリスクを背負うのは当時の時期には合わない、と判断しました。

もちろん、実際に必ず工事が止まると断定していたわけではありません。ただ、我が家としては「このタイミングで中古+リノベを選ぶには、リスクが読みにくい」と考えました。

そこで、中古+リノベの路線もいったん様子見にしました。

「今すぐ動くより、状況が落ち着くのを待つ」という判断です。結果的に、この様子見の期間が次の出会いにつながることになります。

第4章|たまたま築浅のモデルハウス販売物件を見つけた

様子見をしていたあるとき、たまたま築3年ほどの元モデルハウスがある分譲地を見つけました。

注文でも、建売でも、中古マンションでも、リノベでもない。思いがけない選択肢でした。

しかも、以前から気になっていたエリアの分譲地でした。同じ分譲内には別のモデルハウス販売物件もあり、築浅で設備が整っていて、価格の考え方次第では十分に検討に値する。そう感じて、我が家はその分譲地内のモデルハウス販売物件に狙いを定めました。

ここが、当時の我が家の検討の到達点でした。

モデルハウス販売物件は、普通の建売とは少し違います。展示用に作られているため、断熱性能や耐震性能、設備グレードが高いケースがあります。一方で、築年数や見学者の出入り、税制面など、確認すべき点もあります。

我が家が当時モデルハウス販売物件をどう見て、価格をどう考えていたかは、別記事で詳しくまとめています。

モデルハウス販売物件を狙う理由|注文住宅仕様の建物を建売価格で買う戦略

ハザードマップの評価は、良くなかった

良いことばかりではありません。この物件には、はっきりした弱点がありました。

ハザードマップ上の評価がよくないエリアに立地していることです。洪水や土砂のリスクがゼロではない場所でした。

立地のリスクについては、当時まだ迷いがありました。ハザードマップ上の評価が悪いからといって、必ずしも被害が出るわけではありません。でも、住宅ローンの返済が20〜35年続くことを考えると、長期的なリスクとして無視はできないと感じていました。

一方で、完全にリスクゼロの土地はほとんどありません。「少しリスクがある土地を安く買って、ハード・ソフト両面で備える」という考え方もあります。

だからこの物件は**「リスクに見合う価格かどうか」**が判断の軸になると考えていました。そして当時の価格は、そのラインに達していないというのが我が家の見立てでした。

交渉前に、ローンの事前審査を通しておいた

本格的な交渉に入る前に、住宅ローンの事前審査を済ませました。

事前審査を通しておくと、「この価格なら実際に買えます」という裏付けを持った状態で交渉に臨めます。売主側にとっても、買える見込みのある相手かどうかは重要な判断材料になるので、交渉のテーブルに着きやすくなります。

審査の際は比較サイトを使いました。複数の金融機関の金利や条件を一覧で見比べられるので、自分たちの属性でどの銀行がどんな条件を出してくれるのかを把握するのに役立ちました。

実際には、価格交渉は簡単ではありませんでした。売主に値引きを打診したものの、返答は即ゼロ回答。こちらの予算ラインと合わなかったため、一度は撤退しています。

元モデルハウスの値引き交渉、結果はゼロだった|それでも我が家が後悔していない理由

それでも、建売とモデルハウス販売物件を比較したことで、自分たちが住宅に何を求めているのかはかなり整理できました。

建売 vs モデルハウス販売物件|同時期に両方見学して気づいた5つの違い

まとめ|家探しは一直線じゃない

注文住宅から始まり、建売、中古マンション、中古+リノベを経て、築浅のモデルハウス販売物件の検討まで進みました。

我が家の家探しは、見事に二転三転しました。

でも、回り道が無駄だったとは思っていません。

土地が使えるなら注文住宅の方が安くなる可能性があると知った経験も、中古や建売の相場に驚いた経験も、工事が止まるリスクに足踏みした経験も、すべて今の判断の土台になっています。

むしろ、最初の印象だけで一気に決めていたら、今の物件にはたどり着けなかったはずです。

家探しは、思い通りに進まなくて当たり前。

そして振り返ると、住宅市場はさまざまな外部要因に動かされます。金利、資材費、政策、地政学リスク。中東情勢が家探しの方針に影響するとは、正直思っていませんでした。「今この時期にどんな買い方が合理的か」を考えるのも、家探しの一部なのだと感じています。

迷ったら立ち止まり、選択肢を同じ土俵で比べ続ける。

それが、二転三転した家探しから得た学びです。その後、モデルハウスの価格交渉が予算と合わず、購入は見送りました。交渉の結末は値引き交渉の結果、見送り後の方針は20年後の一括購入を目標にした理由に続きます。

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